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イノセンス
イノセンス(いのせんす)#無知、無邪気、無罪等を意味する英単語 (innocence)。
#2004年に公開されたアニメ映画、ここで記述する。
#ヒップホップグループINNOSENCE。
#2004年に公開されたベルギー・フランス合作映画、邦題「?cole」で、2006年初秋、シネマライズほか全国順次ロードショー公開(配給:キネティック)
#20th Centuryの楽曲、Orange (V6)#収録曲|INNOCENCE。
#ゲームソフト『テイルズオブイノセンス』の略称----『イノセンス』 (''INNOCENCE'') は2004年3月6日に全国東宝洋画系で公開された押井守監督のアニメーション映画。Production I.G、徳間書店、日本テレビ、電通、ウォルト・ディズニー・カンパニー|ディズニー、東宝、三菱商事の提携作品。キャッチコピーは「イノセンス、それはいのち」(糸井重里)。『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の続編にあたる。前作で失踪した草薙素子(くさなぎ もとこ)の代わりにバトーが主役となっている。ストーリーの下敷きとなっているのは漫画『攻殻機動隊』の第6話「ROBOT RONDO」(ちなみに第7話は本作に登場する択捉経済特区が舞台)。英題は、「GHOST IN THE SHELL 2: INNOCENCE」。2004年、第25回日本SF大賞受賞。第57回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。これは日本のアニメ映画として史上初である。2004年、山田正紀によって前日談に当たる小説「イノセンス After The Long Goodbye」が発表される。
ストーリー
草薙素子(通称「少佐」)の失踪から4年後の2032年、少女型の愛玩用人造人間|アンドロイド(女性型なので正確にはガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9課で捜査を担当することになり、公安9課のメンバーであるバトーは、新しい相棒のトグサとともに捜査に向かう。
解説
押井守がアニメーションとしては約9年ぶりに公開した大作。作品名は当初『攻殻機動隊2』だったが、プロデューサーの鈴木敏夫の提案により現在の『イノセンス』となった。主題歌である「Follow Me」を提案したのも鈴木プロデューサーである。原作および前作のタイトルでもある『攻殻機動隊』シリーズとは電脳・義体化などの基本設定など、切っても切り離せない関係にあるが、国内展開上は『攻殻機動隊』シリーズの新作である事は意図して強調されず、ほぼ独立した作品かのようにプロモーションがなされた。物語展開上、前作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の経緯が前日談としてある為、難解とされる本作の内容以前に、前提である物語・設定を知らずに初めて観た観客には聊か不親切であり、さらに理解の困難を招いたという評価もある。アメリカ合衆国|アメリカのメジャー映画会社は、『イノセンス』製作にあたって押井との交渉の席で、大衆受けを狙わない姿勢や、話を聞くだけではにわかに理解できない作品内容について、難色を示した。それでも説得のため熱弁を振るう押井に、幹部全員が退いてしまい資金捻出を渋ったという。しかし、前作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』がアメリカでヒットしていた事もあり、一定の興行収入を得られると踏んだ映画会社は、『GHOST IN THE SHELL 2』と明記することを条件として最終的に契約を結んだ。
映像
押井守は、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の際に既にアニメ映画の方法論は決したとして、アニメをこれ以上作ろうとは考えていなかったが、『アヴァロン (映画)|Avalon』でアニメの方法論を実写に取り込み、実写の方法論をアニメに持ち込んでこの映画を制作しようと考えた。即ち、3次元コンピュータグラフィックス|3Dでモデリングされた空間にカメラを持ち込み、それを切り出して(ロケーション・ハンティング)映像を制作しようと考えたのである。一時期は「(画)画コンテ | コンテも切らない」と明言していたそうだ。
だが3D担当者はそれは不可能であると言い、テスト段階のコンビニエンスストアのシーンで想像以上のデータ量の前にその目論見は崩れ去った。現に公開されたものでもこのシーンは分割してレンダリング (コンピュータ)|レンダリングしたものを後に合成するという方法でレンダリング時間を短縮している。しかし本編映像、特に中盤の大祭のシーン(ちなみにこの祭は台湾の媽祖の祭をアレンジしたもの)は驚くべき物量で構成されており観衆を驚嘆させた。カメラマップと呼ばれる手法を利用した映像は、まさに「絵画が動く」といっても過言なものではないだろう。また、アニメはキャラクターをセル画|セルで描くため、画面をセル画が占拠すると画面内の情報量が失われがちだが、江面久を筆頭とするエフェクトチームがAdobe After Effects|AfterEffects等を駆使してそれに対処し、処理速度が停滞すればPower MacG5の大量導入でこれに対処した。アニメ映画では初めて、全編にわたってDomino(参考外部リンク)による映像処理が施されている。また、前作のコンピュータ画面が「緑」で統一されていたのに対し、今作では「橙」で統一されていたり、前作の舞台が「夏」だったのに対して「冬」だったりと映像に差別化が見られる。大きく見える場所以外にも様々な工夫が凝らされている。なお随所に工夫を凝らした絵作りであったが、それによってセル画が浮いて見えるという評価もあった。これについて押井守は認識していたが、CGによって描きこまれたディテールを損なうフィッティングをあえて行わなかった事を後のインタビューで述べている。また実際必要とされる所では用いられている。バトーの姿はセル画とCGの両方で描かれている。IMAXシアターで公開された際にはオープニングのガイノイドの眼球に表示される文字列など細部を見る事ができた。
音響
押井守は以前より音響にもこだわっており、それに則った音響制作が行われた。まず、以前より劇伴作曲家として押井守作品に関わってきていた川井憲次による、本作の第2のメインテーマともいえる「傀儡謡」のコーラスは75人の民謡歌手を集め(前作では3人)、更にクライマックスに使用された傀儡謡ではコーラスを4回収録(延べ300人)し、それを同時に流す事によって音に厚みを持たせた。劇中で使用されたオルゴールの曲は、予めオルゴールから機械録音しておいたものを、大谷石採掘場跡の地下空間で再生し、再度録音したものが使われた。これにより曲に独特の音響が得られた。また音響効果編集は『アヴァロン (映画)|アヴァロン』同様スカイウォーカー・サウンドで行なわれ、迫力の音響世界が創造された。特に発砲シーンで顕著に見られる傾向として効果音の種類が格段に増え、緻密さも実写映画と同水準になっている。サウンドデザインを担当したランディ・トムは『シュレック』やピクサー・アニメーション・スタジオ|ピクサー作品などCGアニメの効果音製作を多数手がけ、『Mr.インクレディブル』でアカデミー音響編集賞|アカデミー賞を受賞している。この関与は「プリミックス」であり、音楽や台詞素材を含むミキシング|整音は日本国内で行なわれている。
その他
プロデューサーの鈴木敏夫は、本作のメインキャストに大物俳優を起用しようと企てた。しかし主役の2人(大塚明夫、山寺宏一)の交代は押井が反対し、草薙素子役には山口智子の名前が挙がっていたが、山口本人と押井によって却下され、田中敦子の続投となった。また、鈴木による同様の意図からか、DVD発売時のTVCMには本作品に出演していない藤原竜也と宮崎あおいが起用されている。

